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失われた谷川の復元を目指して
津久井の水環境保全協議会 会長 斎藤行喜

我が国は経済的繁栄の陰で、想像を絶するほど多くの自然を失いました。自然はやすらぎの場であり、その喪失は人々の心のゆとりを奪います。自然環境は人類のみか全ての生物にとって重要であり、多様な生物の共生空間の確保こそ人類の務めであり、人間生活を維持して行く上でも不可欠であります。


平成9年5月の河川法改正で、「河川環境の整備と保全」が第一条の目的の項で明文化されました。こうした国家レベルでの動きと同時に、市民意識も地域の貴重な自然空間として暮らしに役立てる一方、自然との共生を目指す河川作りを目指し始めており、良い成果も上がっております。

ところが、津久井の実情を考えるに、宮ヶ瀬ダムと道志川水系を結ぶ2本の導水路工事による小河川への影響は誠に深刻であります。当時の建設省宮ケ瀬ダム工事事務所調査設計課の箱石憲昭・小林幹男氏達は「宮ケ瀬ダムにおける自然復元構想とビオトープ」と題して自然環境復元研究会誌(1994年7月号)に論文を掲載しております。

その中で宮ヶ瀬ダム工事では次のような基本的な考え方に基づき自然環境保全対策を実施する、としています。箱石さんや小林さんの自然環境に対する真摯な
論理を
「掛け声」倒れにしないためには、地域と事業主体者の間で大自然に対して、ひたすら謙虚な取り組みの姿勢が大切です


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建設工事による影響の軽減・緩和に努める。
      自然環境の保全、復元を内部目的化して取り組む。
A付帯的な開発は必要最小限にとどめる
      豊かな自然環境は、できるだけ手つかずで残しておくため、環境改変を
    ともなう開発は最小限にとどめ、いわゆる乱開発を防ぐ。
B影響を受けた自然に対する代償的な復元を図る
      ダム湖の創造という新しい環境の形成にあわせ、改変した環境に対する
    代償として、動植物にとって適した自然環境の破壊された箇所に
   対して積極的な自然環境の創造を図る

    この高らかな宣言ともとれる各条項は、まさに近代大型土木工事を遂行
    するにあたっての基本精神を明確に示していて頼もしい限りです。


導水路工事の影響によって津久井が失った貴重な小河川復元を、我々はこれらの理念を視座に、関係各位に対して積極的に働きかけたいと考えております。そして、どのようにすれば復元出来るのか、今後の手続き、手段、企画構想、環境管理等々、皆様のお知恵を是非お借りいたしたいと思います。

本「ウェッブ・シンポ」企画は初めての試みです。会としましてもゼロからの出発で大変心細く思っております。皆様からのご意見、ご提案をお待ちいたしております。ご協力のほどお願い申し上げます。